2014年1月28日火曜日

20414.2.5 Tommy Dorairo 「メルロ=ポンティと身体論」10

フッサールの言う、なんら「加工」を経ない、物そのものを見る、物そのものに触れる、という「直接経験」とはどういったものでしょうか。それは、どうやって可能でしょうか。

フッサールは、物は私の外側にあって、それを見ている私がいる、という図式をまずやめること(超越論的還元)、そして、この還元を通して、超越論的主観性を得ることだとしました。

サイコロを例にとりましょう。
サイコロは6つの面をもつ立体として目の前にあります。そして、私はそれを見ています。
では、この図式をやめ、サイコロを直接経験してみましょう。
超越論的主観性には、サイコロがどのように与えられるでしょう。

注意してください。私たちは、今、世界という枠もない、目の前に統一された物体もないという、普通の世界から見れば奇妙に崩壊した世界で知覚を考えています。

サイコロは最初からサイコロではありません。
立体ですらありません。
正方形かもしれない、菱形かもしれない、直線かもしれません。

それは、見ている私のありようによって色々な現れ方をします。私たちのありように応じて、都度、正方形、菱形、直線というように「現出」するのです。そして、私たちは、そのいくつもの現出を媒介にして、サイコロという統一体を知覚することになります。フッサールはそれを「現出者」と呼びました。

フルログはこちら

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セミナー内では特に言及していませんが、さまざまな文献を参照しています。
以下、主な邦語文献を記載します。

加賀野井秀一『メルロ=ポンティ』
木田元『メルロ=ポンティの思想』
木田元『現象学の思想』
谷徹『これが現象学だ』
ダン・ザハヴィ『フッサールの現象学』
村田純一『知覚と生活世界』
鷲田清一『メルロ=ポンティ』

2014年1月27日月曜日

2月のキラカフェ情報

2月5日(水)22:00-23:00 
哲学入門セミナー Tommy Dorairo 
今回は「メルロ=ポンティと身体論」10。メルロ=ポンティは、「地と図」を属性とするゲシュタルトの知覚理論のほか、その身体論の核にフッサールの知覚論を据えています。フッサールは、抽象の上に抽象を重ねた、高度な記号操作と化した数学を離れ、すべての学はより直接的な経験を基盤にしなければならないと考え、「現象学」を創設した学者です。
(すべてテキストで行います)

2月11日(火)

祝日につき、お休みします。

2月18日(火)22:00-23:00
「藝術講座」22 Comet Morigi 
毎月恒例の美術を中心とした藝術講座です。「建築家のオリジナリティ」3を予定しています。
(すべてテキストで行います)

2月25日 (火)22:00-23:00
「フリートーク」 
毎月一回行っている、特にテーマを決めない集まりです。最近気になっていることや、キラカフェでの催しなど、ざっくばらんな会話をお楽しみください。
(すべてテキストで行います)


場所は、特に指定のない場合はキラジャパンのカフェになります。

ぜひ、参加くださるとともに、ブログ、SNSなどで宣伝してください。 なお、予定はやむをえない事情により変更になる場合があります。ご了承ください。

2014年1月21日火曜日

1月28日のキラカフェは医療講座です。

1月28日(火曜)のキラカフェはRB Lemon医師による医療講座です。

今回のテーマは「お尻から血が出たら?」という内容で、約30分のレクチャーの後に、質疑応答を行う予定です。

Lemon医師はボイスチャット、他の方はテキストチャットでの参加です。

夜10時から1時間。場所はキラジャパンカフェです。
http://slurl.com/secondlife/Bieup/116/246/103

無料ですので、お時間があるかた、お誘いあわせの上、お越しください。


2014年1月15日水曜日

1月21日のキラカフェは

次回のキラカフェは、フリートークです。テーマを決めない、ざっくばらんなお話し日。最近気になっている話題、キラカフェでこういうことをしてはという提案、気楽に集まってお話ししましょう。

場所はいつものキラジャパンのカフェです。
午後10時から11時まで。
すべてテキストで行います。

2014年1月9日木曜日

1月14日のキラカフェは

藝術講座21 Art Seminar, comet Morigi
 Philip Johnson, AT&T Building 1978, New York
建築家のオリジナリティ 2 (ポストモダン)
Originality of an architect 2 (Postmodern)
作品の様式・技法を解析して、影響関係・制作時期を特定できます。
その方法は、言語や遺伝子を比較して、系統を描くことに、似ています。
当講座の場にもなった美術館建築を作例に、建築家のオリジナリティを探ります。
You can identify where/when a work is from, with analysis of its style or techniques.
That way is analogous to comparative-linguistics or molecular-phylogenetics.
We’ve been having this seminar at the museum architecture,
that is an example for what is originality of an architect

・ポストモダンの破風 AT&Tビル
・誰が作品の帰属を判定するか。
・原作を知らずに模倣できるか。
・ブリュッセル万博’58  アトミウム
- the Postmodern pediment; AT&T building.
- Who attributes a work to someone ?
- Can you imitate an original that is unknown for yourself ?
- Atomium, Expo‘58 Brussels.
1月14日(火)午後10時から11時まで。
Jan.14 6-7AM SLT
Basically in Japanese with some English. You can attend with machine-translation.

2014年1月2日木曜日

2014.1.8 Tommy Dorairo 「メルロ=ポンティと身体論」9

メルロ=ポンティの身体論は、地-図で構成されるゲシュタルトの知覚理論、そしてもうひとつ、フッサールの知覚論を柱としています。

19世紀末、オーストリアの哲学者エトムント・フッサール(Edmund Husserl)が、現象学という学問を作りました。彼は、もともとは数学者でしたが、途中で哲学へと転向しました。その理由はなぜか。

17世紀以降、代数学が高度な発展を続け、記号操作による抽象化が極まり、数学は経験的なもの、直接的に経験できる現実からどんどん離れて行きました。しかし、フッサールはこうした数学の、現実からの乖離に疑問を持ちました。数学も、学問一般も、経験と結びついて初めて確実な学となるのではないかと考えたのです。

フッサールは経験にこだわります。しかし、それは、見る、触れる、といった、一般に考えられる経験とは異なったものでした。

彼は、意識の外に対象が実在するという前提からは出発せず、経験そのものを見つめようとします。意識の外に、意識がまさに対象としているものが存在すること、それを私たちはどのようにして知るに至っているのか。その成立の仕組を捉えること、これが必要だと考えました。その経験に立ち返り、純粋にそれを記述しなければならないと考えたのです。

この、認識の仕組みを考える時に、フッサールは知覚をモデルとしました。そこで創り出されたのが彼の知覚理論です。

フルログはこちら

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セミナー内では特に言及していませんが、さまざまな文献を参照しています。
以下、主な邦語文献を記載します。

加賀野井秀一『メルロ=ポンティ』
木田元『メルロ=ポンティの思想』
木田元『現象学の思想』
谷徹『これが現象学だ』
ダン・ザハヴィ『フッサールの現象学』
村田純一『知覚と生活世界』
鷲田清一『メルロ=ポンティ』

2014年1月1日水曜日

2014年1月のキラカフェ情報

1月8日(水)22:00-23:00 
哲学入門セミナー Tommy Dorairo 
今回は「メルロ=ポンティと身体論」9。メルロ=ポンティは、「客観的世界」がまずあり、そこからの刺激を知覚が受けて経験が成立するという古典的理論に無理がある、と考えました。そして、知覚は現に経験している知覚経験に立ち戻って考えてみなければならないと考えたのです。
(すべてテキストで行います)

1月14日(火)
「藝術講座」21 Comet Morigi 
毎月恒例の美術を中心とした藝術講座です。「建築家のオリジナリティ」2を予定しています。
キラ宗教美術館2階のカフェで行います。
(すべてテキストで行います)

1月21日(火)22:00-23:00
「フリートーク」 
毎月一回行っている、特にテーマを決めない集まりです。最近気になっていることや、キラカフェでの催しなど、ざっくばらんな会話をお楽しみください。
(すべてテキストで行います)

1月28日 (火)22:00-23:00
「医療講座」 R.B Lemon
R.B. Lemon医師による医療ワークショップです。今回のトピックは、「お尻からの出血」。30分程度のレクチャーの後、質疑応答を行います。
(Lemon 医師はボイスを、参加者の方にはテキストをお願いします)

場所は、特に指定のない場合はキラジャパンのカフェになります。

ぜひ、参加くださるとともに、ブログ、SNSなどで宣伝してください。 なお、予定はやむをえない事情により変更になる場合があります。ご了承ください。